ひび割れに出ている粉はなに?

鉄筋コンクリートの建物の外壁や軒下に発生しているひび割れを良く見ると、白い粉のようなものが着いている場合があると思います。ベランダの軒下につららのようになっている時もありますね。
これは何だろうと思った事はありませんか?
〇この現象の正体は・・・?
これはコンクリート表層部の遊離石灰などの可溶成分が浸透した水分により溶かされて、表面に染み出し、蒸発して析出、さらに成分によっては空気中の二酸化炭素と反応して固まることによる白華現象(エフロレッセンス)という物です。
一般的に一次白華と二次白華に分かれ、ひび割れや表面を伝う雨水等の外部からの水により溶かされてできるものは二次白華に分類され、外壁に発生している白華現象はこちらに分類されます。
〇この現象が起こると何か問題があるの?
白華現象(エフロレッセンス)は雨水等の外部からの水により溶かされて発生します。
と言う事は・・・コンクリートの内部に雨水等の外部からの水が侵入していることになります。
鉄筋コンクリートの建物は名前の通り鉄筋とコンクリートを複合した構造体になりますので、コンクリートの内部にはたくさんの鉄筋が入っています。
鉄筋は水に長時間触れると当然錆が発生します。コンクリート内部にある鉄筋が錆びる事により爆裂と言う現象が起こり、コンクリートが欠落する事に繋がります。
欠落・・・高いところからコンクリートの破片が落ちる事を想像するだけで危険が潜んでいることが分かっていただけますでしょうか?
〇どうすればよいの?
一番の問題は外部からの水の侵入です。ひび割れ等からの水の侵入を防げばよいのです。
補修方法は樹脂注入やUカットシール、表面コーティング等などあります。
こんな現象が至る所に発生する前に補修を行う計画を立てることも建物を長期的に維持管理していくためには必要なことです。