2017.09.01荒金格言
2017年9月の格言
平成29年9月の格言は
「経費削減病」というのは、 多くの会社で繰り返しかかる病気であり、 不景気や業績低下時に重病となる。 |
無為無策の社長の関心は「経費節約」である。
それらの社長は、決算書を見てもチンプンカンプンであり、
損益計算書から低業績あるいは赤字と知っても、
打つ手が分からない。
そこでのめりこむのが経費節約である。
経費に焦点を合わせて、
これを削減しようとしても、
よほど放漫な会社を別にすれば、
経費を五%削減しようとしたら、
ほとんどの会社で日常活動に
大きな支障をきたすことはまず間違いない。
「経費節約病」というのは
多くの会社で繰り返しかかる病気であり、
不景気や業績低下時に重傷になる。
しかし経費削減に成功した会社は
世の中にないのである。
だから経費削減を試みるなどやめるべきである。
事業の経営というものは、
経費をおさえるという消極的な態度ではなく、
売上を積極的に上げ、
利益を大きくするこそ肝要である。
経費をおさえることは極めて難しく、
利益をあげる可能性は非常に多いからである
費用は、単に経費という観点から見るのでなく
その特性の分析から出発しなければならない。
そのために、費用をその投入対象にしたがって、
日常の繰り返し仕事の管理に使われる「管理的費用」、
「今日の収益」をあげるために使われる「販売促進費」、
「将来の収益」をあげるために使われる「未来事業費」の
三つに分類し、考え方を整理することが大切であり、
それぞれの活動に対する基本的な方針を決め、
推進することこそ、成果をあげる重要な態度である。
そして中小企業の大部分では、管理的費用は過大であり、
販売費と未来事業費はおそろしく少ないのである。
このことは、企業の経営は企業の内部を管理すること
だと思いこんでいる証拠である。
事業の経営は内部を管理することではなくて、
市場と顧客に対する活動なのであるという、
正しい認識をもってもらいたいのである。
一倉定先生著「一倉定の経営心得」経営の数字より